南城市・百名の海辺に佇む宿「百名伽藍」。
この記事では、宿の夕食を写真とともに紹介。
大切な日をゆっくりと祝うのにふさわしい、心に残るひとときだった。
食事処「甘露」で過ごす静かな夜


貸切露天風呂の余韻をまといながら、館内着のまま食事処の「甘露」へ向かう。

フロントと同じ3階にあり、カフェや朝食もこの場所で提供されている。
琉球石灰岩の壁がやわらかな灯りを受け、空間には静かな品が漂う。

広めに配されたテーブルが、二人の時間に穏やかな余白をつくる。
客室でも食事はできるが、せっかくならこの空間で味わいたい。
御献立(ディナーメニュー)

和の技と琉球の伝統が調和した「和琉会席」がディナー。
おめでたい席で供される郷土の味を、繊細な和の感性で仕立てた一献。
先付と珍味

ドゥルワカシーは田芋を豚肉やかまぼこと煮詰めた郷土料理で、沖縄県民でもなかなか口にする機会の少ない珍味。
泥を沸かしたような見た目から、方言で“ドゥル(泥)をワカシー(沸かす)”が語源なんだとか。
前菜

前菜は、八種が並ぶ上品な盛り付け。
ひと口サイズが続き、味のリズムが軽やかだから、お酒もハイスピードで進んでいく。
造里

沖縄近海で獲れた魚の盛り合わせが、琉球ガラスの器に美しく並ぶ。


なかでも赤マチは上品な甘みが抜け、ひと口で日本酒が欲しくなる。
煮物とサラダ

じーまみー豆腐のポタージュにアーサー入りの海老真丈がふわりと潜み、濃厚なコクとともに落花生の香りがやさしく広がる。

タルト仕立てのサラダは彩りも美しく、ここでひと息ついてお酒を休憩。
焼物

この日のメインは、黒毛和牛のフィレステーキ。

石焼きで仕上げられ、ふっくらジューシー。
口に入れた瞬間、とろける柔らかさと上品な甘みが広がる。
酢の物・御飯・留碗・香の物

食事もコースの終盤——氷頭膾、赤米、中身汁、パパイヤ味噌漬けと、どれも丁寧な味わい。
祝いの席に欠かせない中身汁は、澄んだカツオ出汁にモツの旨みが重なる、沖縄ならではの一杯。
甘味

パートナーの誕生日で、ホワイトチーズロールに特別なデコレーションが添えられ、テーブルにさりげない華やかさ。
記念写真も撮ってもらい、チェックアウト時に受け取り、余韻とともに記念日を締めくくった。

ちなみに、翌朝の朝食はテーブルいっぱいに並ぶ彩り豊かな品々で、夕食・朝食どちらも心ゆくまで満喫できた。




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