伊江島をぐるっと巡る、日帰りモデルコース


フェリーで伊江港に到着したら、まずは島のシンボル「伊江島タッチュー」へ。
その後、映画「木の上の軍隊」のロケ地や、実際に日本兵が潜んでいた壕、戦争遺構や展望台を巡り、島の歴史と自然を感じるルート。
最後は、民俗資料館のある「島村屋観光公園」で締めくくり。
車で移動し、半日〜1日でぐるっと回れるルートです。


📍今回巡るスポット(順番に紹介)
1.伊江島タッチュー(城山)
2.ミースィ公園(映画ロケ地)
3.ニーバンガズィマール
4.ニャティヤ洞
5.湧出(ワジィー)展望台
6.第502特設警備工兵隊出撃之地
7.公益質屋跡(戦争遺構)
8.島村屋観光公園(資料館・お土産)
伊江島タッチュー登山|絶景を望む人気スポット
🗺 住所: 伊江村字東江上552
🅿️ 駐車場: あり
🚻 トイレ: 登山口にあり
⏱ 所要時間: 往復30~40分

伊江島観光でまず外せないのが、「タッチュー」の愛称で親しまれる「城山」の登山。
標高は172mと小ぶりながら、登山道が整備されており、実際には階段を黙々と上るルートになっている。

登山口では、伊江島のゆるキャラ「タッちゅん」が出迎えてくれる。ここからスタート。

早い人なら頂上まで5分で登れるが、階段の一段一段が高めで地味にキツい……

直射日光は木々がさえぎってくれるので、暑さはそれほど感じないのが救い。

8合目あたりから視界がひらけて、サトウキビ畑やたばこ畑が広がる伊江島らしい景色が見えてくる。

頂上は日陰がまったくないので長居はできなけど、その分、開放感は抜群。

ぐるりと360度見渡せる絶景が広がり、島を一望した瞬間、伊江島の小ささと、畑や海が織りなすのどかな風景に心がほどける。
映画「木の上の軍隊」ロケ地|ミースィ公園のガジュマルへ
🗺 住所: 伊江村字西江前248
🅿️ 駐車場: あり
🚻 トイレ: あり
⏱ 所要時間: 約10分

沖縄戦を描いた映画「木の上の軍隊」のロケ地となったのが、ミースィ公園にある1本のガジュマルの木。

2本のガジュマルを移植して育てられたこの大樹は、公園の中でもひときわ目を引く存在。


静かな公園に佇むこの木は、絡み合う根や幹の迫力がすさまじく、まるで生き物のような気配さえ感じる。

映画で使われた小道具が今も木の上に残されていて、物語の余韻が静かに漂っている。
ニーバンガズィマール|映画とは別に、実際に日本兵が暮らしていた場所へ
🗺 住所: 伊江村字西江前194
🅿️ 駐車場: あり
🚻 トイレ: なし
⏱ 所要時間: 約10分

終戦を知らずに伊江島で潜伏生活を送った沖縄出身の佐次田秀順さんと宮崎出身の山口静雄さん。
彼らが身を隠し、暮らしていたのが「ニーバン家(宮城家の屋号)」の敷地内にあった一本のガジュマルの木。

その木は、令和4年の台風で倒れてしまい、現在この場所に立っているのは、ミースィ公園から移植された二代目。

枝葉はまだ少ないが、そばに立って南の海を眺めると、当時の情景がうっすらと浮かぶ。


ちなみに、山口さんが当初ひとりで身を寄せていた別のガジュマルは、今もなお現地に残っている。
ニャティヤ洞(ガマ)|避難壕としての歴史と、力石の伝承
🗺 住所:伊江村字川平
🅿️ 駐車場: あり
🚻 トイレ: あり
⏱ 所要時間: 約15分

戦時中、住民の命を守った防空壕──「ニャティヤ洞(ガマ)」。
多くの人がこの場所に身を潜め、命をつないだことから「千人洞」とも呼ばれている。

岩の隙間からこぼれるわずかな光と、ひんやりとした空気。
静けさと薄暗さが、独特の空間をつくり出している。

奥へ進むと現れるのは、子宝にまつわる伝承が残る「力石(ビジル石)」。

この石を持ち上げたときに重ければ男の子、軽ければ女の子を授かるという言い伝えが残る。

さらに進んだ先には、ハートのかたちに見える小さな出口が。
そのすき間から、伊江島ブルーの海が静かに顔をのぞかせる。
湧出(ワジィー)展望台|伊江島の断崖絶壁と湧き水の絶景スポット
🗺 住所:伊江村字東江上
🅿️ 駐車場: あり
🚻 トイレ: あり
⏱ 所要時間: 約10分

島を巡って北西の海沿いへと足をのばすと、伊江島の表情ががらりと変わる。
高さ60mを超える断崖の下から、今もなお、水が海へと湧き出している──ここが「湧出(ワジィー)展望台」。

砕ける波が白いしぶきを上げ、崖のスケールにただ見とれる。
周辺の海は、釣りやダイビングの名所としても知られ、力強くも豊かな伊江島の自然を体感できるスポット。
第502特設警備工兵隊出撃之地
🗺 住所: 伊江村字西江上(米軍演習場近く)
🅿️ 駐車場: (周辺に路肩駐車)
🚻 トイレ: なし
⏱ 所要時間: 約5分

伊江村・西江上、米軍演習場へと続く道沿いに、静かに佇む石碑──ここは「第502特設警備工兵隊」が出撃した自然壕跡。

彼らは米軍の上陸前、伊江飛行場の整備や保守に従事していた。
だが上陸後、本隊との連絡は絶え、撤退の手段も失う。
わずかな武器を手に、自然壕から米軍に斬り込みをかけていった。

手元にあった武器は、竹やりと手榴弾のみ──
静かな碑の前に立つと、その重みがずしりと胸に迫る。
公益質屋跡|弾痕が物語る、戦争の記憶
🗺 住所: 伊江村字東江上
🅿️ 駐車場: なし(周辺に路肩駐車)
🚻 トイレ: なし
⏱ 所要時間: 約5~10分

今なお建物の姿をとどめる、伊江島の戦争遺構「公益質屋跡」。
伊江島タッチュー(城山)に陣地を築いた日本軍を狙い、米軍は海上から激しい艦砲射撃を加えた。

その砲撃は、城山と海とのあいだにあった「公益質屋」にも及び、壁一面に無数の弾痕を残す。
荒々しい砲撃の痕跡が、静まり返った今も、戦争の記憶を無言で語り続けている。
島村屋観光公園|歴史を刻む屋敷跡と民族資料館
🗺 住所: 伊江村字西江上17
🅿️ 駐車場: あり
🚻 トイレ: あり
💰 入場料: 大人300円
⏱ 所要時間: 30分〜1時間(資料館含む)

沖縄三大悲劇のひとつ「ハンドゥー小(ぐゎー)」の舞台となった、島村屋の屋敷跡に整備された観光公園(入場料:大人300円)。

いわゆる“公園”といっても遊具などはなく、敷地内にはハンドゥーの銅像やハブの飼育エリアなどがある。


中でも見逃せないのが公園に併設されている「民族資料館」。
昔の農機具から戦争遺品まで、間近で見られる貴重な展示がそろう。


機雷除去に使われた防雷具は、今もなお無言の重みを放っていた。
説明書きによると、現存が確認されているのは、この一つだけとされている。


対空機関砲「ZPU-4」は見どころの一つであり、朽ちつつもその圧倒的な存在感が際立っている。


敷地内のお土産屋さんでは、伊江島の特産品が揃い、休憩や買い物にもぴったり。
以上で伊江島日帰りモデルコースの紹介はおしまいっ。
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